第十雄洋丸の悲劇
- 古川和子
- 2018年11月20日
- 読了時間: 2分
先日「奇跡体験アンビリバボー」で放送されました。
物語は第十雄洋丸の爆発火災事件です。 1974年11月東京湾で発生した大型タンカーと外国船籍の貨物船は衝突したことから始まりました。 続きは... https://www.fujitv.co.jp/unb/contents/181115_1.html 私は10数年前から船員のアスベスト問題に関わってきたので、雄洋丸の事件は知っていました。 しかしこれ程の大惨事だったとは…。
戦艦大和に匹敵するくらいの大きさと強固な船は、積載された可燃物により爆発炎上を繰り返して、巨大なモンスターとなって横須賀の街も壊滅の危機に陥ったのです。 放置すれば、風に流された雄洋丸が横須賀と周辺の船を直撃するかもしれません。
大惨劇を防ぐために方法はひとつだけ…船を海底に沈めるしかありません。
海上自衛隊は雄洋丸を沈没させるために、大砲を装備した護衛艦、 潜水艦、航空機も派遣しました。
これよりも以前に、雄洋丸を安全な海域まで曳航するためのタグボートの人々が「海の男だから放っとけない」と決死の作戦も息を呑みました。
「第十雄洋丸は、元々は日本の経済を支えるために作られ、活躍していた船だった。 人間の不注意によって、事故を起こし、手におえない怪物と化してしまったが…それを教訓として、次に活かしていくのもまた人間である。」
沈んで行く姿には泣かされました。
アスベスト の問題も似ていると思いました。
人間が天然の鉱山を掘り起こして乱獲と安価で使用され続けたために、今では命を脅かす巨大なモンスターになっています。
人間が造り、育てた「アスベスト災害」というモンスターは
私たちの手で、解決をしたいものです。
しかし世代を超えてモンスターは生き続けるかもしれません。
その場合は今の私たちの経験を次世代に引き継ぎ
少しでもモンスターの危害から気を守る術を身に着けて欲しいです。
最後に…
海を愛し、船の仕事に誇りを持ち
過酷な労働にも耐えてきた船員たち
船から海に飛び降りる時の覚悟のほどは
自身の身を引きちぎられるような無念さが
あったと思います。
元船員の方たちから聞いた言葉
「オイラーマン」はオイルを運ぶ人
「ファイヤーマン」は石炭を運ぶ人
などの言葉が私の脳裏を過りました。
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