思いがけない電話
- 古川和子
- 2018年10月19日
- 読了時間: 2分
昨日知らない番号から着信がありました。
出てみると年配男性の声で「〇〇に住んでいるTです」と。
え?…聞き覚えのある声。
話していくうちに思い出しました。
石綿肺で療養中のTさんでした。
10年近くも前に一度ご自宅を訪問しました。
その時の私の名刺を大事に持っていて、昨日電話くれたのです。
「まだアスベストの事やっている?」と尋ねるTさんに「もちろん!」と。
今は在宅酸素の数値が5になっていること、
外に出かけるのはしんどくてほとんど自宅にこもっていること、
腫瘍マーカーが上がっているので肺がんを発症しているかもしれない、
などなど語ってくれました。
「今日はどのようなご相談ですか?」という私に
「いあや別に…、あんたの声を聞いたら元気出るかな、と思って」
えぇ~! そんなに懇意にしていなかったよね?
そしてしばらく会話していると
「確か、お一人住まいでしたよね」
「いや、奥さんと二人」
「そうでしたかね…」
「実はその後、面倒見てくれる人が出来て一緒になった」
「え~! それは良かった!」
Tさんは、私が訪問したその当時でも息苦しさと日常生活の不安を訴えていたので
そのような形で寄りそってくださる方が出来てよかったと心から安堵しました。
そして
「籍は入っている?」
「うん、入れたよ」
「良かったね」
何という会話 (^^;)
でも、ほっこりとさせられるものがありました。
高校中退して、熊本市から上京してきたTさん。
土木や建築の仕事であちこち渡り歩き、大阪を安住の地としました。
しかし60歳ごろから呼吸苦に悩まされています。
私が訪問した時は一人住まいの寂しさが漂っていましたが、
今では暖かい空気が溢れていることでしょう。
肺がんを発症していないことを祈りつつ、電話を切りました。
Tさんの電話は私にとって、「心のホットライン」でした (^.^)/~~~
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