諦めないこと
- 古川和子
- 2017年10月6日
- 読了時間: 2分
朝から一本の電話が…。
昨日は腹膜中皮腫の患者さんが診察に行っているので、その報告かと思ったら別の方でした。
「監督署から平均賃金決定通知書が来ました」
「え!、それって認定になったのですね!」
何とも嬉しい会話です (*^^*)
しかし問題が。
当該労働者のNさんは2年前逝去されており、ご遺族が時効寸前の休業補償請求を行ったのです。
本来なら「遺族年金請求」となるのですが、死亡診断書には「肺炎」とかかれており、労災認定対象疾患の「肺がん」の文字は見当たりません。
最初にNさんと出会った時は、肺がん手術後の療養中でした。
在宅酸素をしながら苦しい状態で「アスベストが身体に悪いなんて知らなかった」と、防水工事業で働いてきた当時のことを語ってくれました。
相談があったときは労災の認定基準に満たない(労働者期間)状態だったので、環境省の石綿救済法に申請しました。
すぐに認定通知が届きました。
しかしこの間労災認定基準が改正されたので、Nさんも該当するのではないかと考えていました。
ところがNさんは急逝されました。
しかも死亡診断書は「肺炎」です。
これは労災対象疾病ではありません。
誰もが諦めていました。
しかし…「やるだけやってみよう」とばかりに娘さんのT子さんと一緒に、監督署に行きました。
休業補償請求の期限は、死亡後2年です。
時効まで6日残っていたのです。
たった6日間の休業補償請求。
でも認定になれば、遺族請求が可能になります。
肺炎とかかれた死亡診断書も、見直しされるかもされない…というかすかな期待を込めています。
「まず第一関門は通過!」と、T子さんと喜び合いました。
あきらめないこと、それは大事なことです!
今日もまた、相談者の方から勇気を貰いました!
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