今日の電話
- 古川和子
- 2017年9月22日
- 読了時間: 2分
今日は(今日も?)多くの発着信ありました。
数えてみると、着信4件、発信11件でした。
最長通話時間が、1時間24分。その次が43分。
用件だけの場合は、13秒とかの短時間です。
内容は様々です。
連絡事項だけであったり、深刻な話までありました。
自宅に入る直前にかかってきた電話。
足を止めて、電話をとりました。
腹膜中皮腫の患者さんでした。
「次の診察予約日まで、もたないかもしれません」
「え!、そんな…」と私は絶句しました。
話の内容は、とても体調が悪くて深刻な状況でした。
「緊急で診てくれる病院はないでしょうか」という相談でした。
いまかかっている病院からは「あなたに効果的な治療は無い」と言われているそうです。
かつては抗がん剤治療もしましたが、いまは中止しています。
今日あたりはとても苦しいようです。
彼は「今の病院に行っても、『治療法がない』といわれるだけだから」と訴えました。
いろいろと状況を聞き私は「苦しい時は、我慢しないで救急車をよんでください。そして今罹っている病院に行ってください。自宅で抱えていては余計に辛くなります。」といいました。
残念ながら私は医者ではありません。
苦痛を取り除くことは出来ません。
このような言葉しか発することが出来ませんでした。
「毎日電話かけて、申しわけありません」と謝る彼の言葉に、私の心が苦しくなりました。
何もできない無力な自分が情けなくなりました。
その後、どうしただろうか?
体調は大丈夫だろうか?
この方の場合は、医療者と心が通じ合っていないために起こる悲劇だと思います。
中皮腫という重篤な病気。
そのなかでも腹膜中皮腫など、まれなケースは治療がより困難です。
病気を診る医者と、心を診る医者必要だと、改めて感じました。
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